太陽光発電所 春の誘惑と、現場の「鉄の掟」

3月に入り、太陽光発電所の草刈りの下見で、現場を回る日々が続いています。 車の外に出ると風はまだツンと冷たいのですが、ふとした瞬間にふんわりと「土の匂い」が混じるようになり、季節の変わり目を感じます。

そんな現場で、最近私を悩ませている「強敵」がいます。 それは、枯れ草を力強く押し退けて顔を出している、春の使者**「フキノトウ」**です。

日当たりの良い法面の隅っこなどに、ポコポコと芽吹いているのを見つけると、作業の手が止まってしまいます。 「お、今年も出たな」と嬉しくなるのと同時に、頭の中では勝手に献立が組み上がります。 「これを天ぷらにして、お塩で……」「いや、細かく刻んでふき味噌にして、熱々のご飯に乗せたら最高だろうな……」

まさに「宝の山」を目の前にしている状態。 正直に言いましょう。喉から手が出るほど、採って帰りたいです!

しかし、ここは大切なお客様から管理をお預かりしている「事業地」。 たとえどれだけ立派に育っていようと、それは現場の風景の一部であり、私たちが守るべき資産のひとつです。 「私物化してはいけない」というプロとしての鉄の掟(と、私のささやかな良心)が、伸びかけた手をグッと引き止めます。

結局、今年も「美味しそうだな……」という未練たっぷりの溜息とともに、そっとスマホのシャッターを切るだけで我慢しました。 胃袋を満たすことはできませんが、レンズ越しに眺める春の芽吹きも、これはこれで贅沢なものです。

皆さんの周りでも、小さな春は見つかりましたか? もし道端でフキノトウを見つけても、よそのお家の庭や事業地のものは、私と一緒に「眺めるだけ」で我慢しましょうね(笑)。

今夜はスーパーで買ったフキノトウで、春の味を楽しもうと思います。

追伸: ……と、ここまで自分を律していたのですが、先ほど出先から戻った社長が、一言。 「地権者様から、もらったぞ」と、一掴みのフキノトウを分けてくれました。

私のささやかな葛藤を知ってか知らずか……。 今夜は、ありがたく春の味をいただこうと思います。